独語78 動物福祉(動物虐待判断基準)

動物福祉判断基準 (Animal Welfare Assessment)
動物の福祉
は、その判断基準となっていて、国際的に認知されている「5つの自由」(Five Freedoms)が遵守されていること。
人が飼育管理している動物に対して保証しなければならないものです。
以下のチェック項目は、動物がどのような状況で飼育されているかをチェックするものです。
「いいえ=NO」がある場合は、動物の福祉のために改善する必要があることを意味しています。
1,飢えと渇きからの自由
①動物が、きれいな水をいつでも飲めるようになっているか?
②動物は、健康を維持するために栄養的に充分な食餌を与えられているか?
2,肉体的苦痛と不安からの自由
③動物は、適切な環境下で飼育されているか?
④その環境は、常に清潔な状態が維持できているか?
⑤その環境に、鋭利な突起物のような危険物がないか?
⑥その環境には、風雪雨や炎天を避けられる屋根や囲いがあるか?
⑦快適な休息場所があるか?
3,外傷や疾病からの自由
⑧動物は、痛み、外傷、或いは疾病の徴候を示していないか?
もし、あるならば、診療されて適切な治療が行われているか?
4,恐怖や不安からの自由
⑨動物は、恐怖や精神的な苦痛(不安)の徴候を示していないか?
もし、そのような徴候を示しているなら、その原因を確認できるか?
その徴候を無くすか軽減するために的確な対応がとれるか?
5,正常な行動を表現する自由
⑩動物は、正常な行動を表現するための充分な広さが与えられているか?
作業中や輸送中で、動物が危険を避けるための機会や休憩が与えられているか?
⑪動物は、その習性に応じて、群れ或いは単独で飼育されているか?
また、引き離す必要な場合は、そのように飼育しているか?

これは、RSPCA(Royal Society for the Prevention of Cruelty to Animals、英国王立動物虐待防止協会)のインスペクター(査察官)が使用しているチェックシートを参考にし、「動物との共生を考える連絡会」が作成したものを引用しました。また、この5つの自由は、世界動物保健機関WOAH=World Organization for Animak Health)=旧世界獣疫事務局OIE)も提唱しています。
動物を扱うすべての人、自治体の動物愛護管理担当職員、獣医師、愛玩動物看護士、警察・検察関係者などが明確に理解してもらいものです。