独語63 獣医療過誤相談終了

1999(平成11)年12月に、「動物の保護及び管理に関する法律」が、やっと改正され「動物の愛護及び管理に関する法律」と改称された後、「ペット法学会」が設立されたので入会しました。この学会には、法学部の教授を始め弁護士さんなどの司法関係者が多数所属され、知り合うことになり、動物虐待問題(動物福祉)などの他に獣医療過誤についての相談も受けました。当時、対応できる獣医師がおらず、対応する機関が全くなかったから、受け入れざるをえなくなり、今日に至っております。
当初は、飼い主さんの悩みを聞き、獣医療過誤の有無の相談を受け入れていました。中には、集団訴訟の「多摩センター動物病院の詐欺的獣医療裁判」で、裁判所で証言し、当該獣医師が免許停止3年の判決となった事例もありました。この際、飼い主さんたちの支援や相談の要請に対して、獣医師会は無視或いは拒否しました、それ故、私が証言せざるをえなかったのです。
裁判提訴如何に関わらず、弁護士さんが裁判所の許可を得て証拠保全(改ざんがない)で得られた獣医療記録簿(カルテ)や画像等の検査データなどを精査して、正当な獣医療が行われた否かを判断します。最近は、飼い主さんだけの依頼はお断りし、弁護士さんから直接依頼された場合のみ受け入れています。
1968(昭和43)年に開業し、日進月歩で発展する獣医学を学び、得られた知識を日常の診療に活用しています。獣医療過誤の相談に対して。私個人の知識に基づいて対応してきました。私は、予てより、一個人が対応するのでなく、獣医師会や獣医学会の担当部署が行うべきと考えておりました。ましてや、私のような後期高齢者が対応すべきこととは到底思えません。そこでこの度、東京都獣医師会に、獣医事問題に対応する仕組みを講じてくださるよう、要請文を送付しました。対応できる仕組みができるかは、全く分かりませんが、公益法人が、この問題に取り組むことは、正当な獣医学を裁判所等に提示することになり、また、獣医師への啓発に寄与できると考えています。
ということで、私の役割を終えたいと思っています。