独語29 ペット飼育禁止裁判

マンションやアパートなどの集合住宅で、犬や猫などのペットを飼っていた飼い主に対して、ペットの飼育を止めるよう求められることがある。最近は、ペット飼育可の集合住宅が多くなっているにもかかわらず・・・・
ペット飼育可の集合住宅を購入してペットを飼育し、何のトラブルもなく生活しているにもかかわらず、管理組合の総会で「ペット飼育禁止」が議決されると、ペットの飼育を止めざるを得ず、理不尽だと思っても従わねばならない。

「人住むところにペットあり」は、世界の常識であり、いかなる居住形態であってもペットの飼育は認められている。ご承知の通り、ロンドン、パリ、ニューヨークなどの大都市での集合住宅でペットが沢山飼育されている。集合住宅でペットの飼育を法律や規則で禁止する国はなくペットの飼育は個人の自由であり権利でもあるとされており、法治国家であれば個人の権利を侵害する規則や法律は考えられないとしている。このことは、「人と動物との相互作用に関する国際連合」(IAHAIO)のスイス大会で、17か国からの参加者への聞き取り調査で確認した。この際、「日本は法治国家なのか?」と質問され、赤面した。ただし、集合住宅でペット飼育を禁止するのは、賃貸集合住宅の賃貸契約にあり、これは建物の所有者の権利であり自由であるからである。なお、ペットに関するトラブルには、飼い主に対して損害賠償請求で対応している。

{ペット飼育禁止裁判」は、管理組合の規約の下で行われる。この規約は、「区分所有法」に基づいており、ペット飼育可だった規約が、管理組合の総会で「ペット飼育禁止」の改正案が議決されると否応もなくペットの飼育が不可となる。この規約改正は、ペットを嫌い飼い主を排除しようとする輩が、あらゆる手段を講じて裏工作を行い賛同者を集めて改正案を管理組合の総会に提案する。特に管理組合の理事長や理事が、その中心である場合は、強引に総会運営を行って決議する傾向がある。規約改正後は、飼い主に対して恫喝や嫌がらせなどを執拗に行って排除しようとする。飼い主がペット飼育を止めない場合には、裁判で決着しようとして提訴する。残念ながら、すべての裁判で、飼い主が敗訴し、涙を呑んでいるのが現状である。

ペット飼育可のマンションで、実際にペットを飼育しているのは20%以下の少数者でしかなく、多数決では常に劣勢である。たった一人や一家族に対して、住民多数が追い出しに関わる構図であり、法律(規約)が多数でのいじめ(多数の暴力)を容認するものである。なんとも情けなく見苦しい。

何故、裁判で負けるのかは、裁判所・裁判官が、区分所有法に基づいて変更された管理規約を有効としているからであり、憲法判断を避け、世界の潮流に目をそらし、個人の自由と権利を無視しているからであると思っている。しかも、これが判例となっており、「ペット飼育禁止裁判」は、善良な飼い主が繰り返し負けることになる。

善良な飼い主とそのペットを守るためには、如何にすればいいのかなー 悩ましい‥‥