独語7 馬② 乗馬療法(AAT=アニマル・アシステッド・セラピー)

乗馬療法(ヒポセラピー、エクインセラピー、ホースセラピー、ホースバックライディングセラピー)は、古代ギリシャ時代からと言われています。それは、戦いで傷病を負った兵士が癒えた時に、乗馬することで早期に戦場に復帰できることを知ったからです。騎馬民族諸国では、その効用を知って活用しているが、日本では全く知られていないのが現状です。

私自身の体験を紹介します。
まず、馬に跨った時の馬の背中の動きは、上下、左右、前後の三次元の動きで、人の体幹(中心部)を否応なく動かされ、平衡感覚を維持する全身運動なので、他のスポーツとはかなり異なっています。乗馬競技には、馬場馬術、障害飛越、総合馬術、耐久騎乗競技などがあり、この他に、野山や草原への野外騎乗(クロスカントリー)、遠乗り(トレイルライド)などのエンジョイライディングもあります。老若男女とハンディキャップがある人も乗馬を楽しむことができ、パラリンピックでは障碍者馬術競技もあり、オリンピックの馬場馬術競技に高齢男性(70歳代)が出場しました。

私は、スキーで衝突して頸椎捻挫を起こし、頚腕症候群で左腕が肩より上げられず、首もわずかしか動かせず、鈍痛に悩まされ、ドクターの指示のもと3か月ほどリハビリに励みましたが、これ以上の改善なくこのまま固定するかもと言われた。そこで、当時サボっていた乗馬を再開することを考えました。その理由は、障碍者乗馬協会(RDA=Riding for the Disabled Association)が、乗馬することで大きなリハビリテーション効果があることを実践していたこととカナダのバンクーバーで、全盲の方が円形馬場で障害飛越をしている動画映像を見せられたことを思い出したからです。

私へのリハビリ効果は、アドバイスもなく全く分からない状態だったので、試行錯誤するしかないので、手始めに乗馬時間を30分以内にして、まず身体が馬の動きになれることと、筋肉痛が1週間以内に取れるかをチェックしました。幸いにも、筋肉痛は4,5日以内に取れたので、週一回乗馬することにし、回を重ねるともに乗馬時間を延ばしました。次第に腕も上がり、首も回るようになり、痛みもなくなり、たった5,6回の乗馬でほぼ完全に回復したことで、リハビリテーション効果を確認できました。それ故、今でも乗馬を楽しんでいます。受傷後すぐに乗馬療法を始めれば良かったのかは分かりませんが、この効果を実体験したからには、紹介しなければと思いました。

一般に、乗馬は取り組みにくいものとみなされいますが、以下を提案しますので、チャレンジしてください。
1、定年退職者や高齢者の引き籠り防止対策と体力(健康)維持・増進
2、外科手術後や後遺症のリハビリテーション
3、病後の体力回復
4、精神的落ち込みの自信回復
5、すべての世代の体力(健康)維持・増進
6、身体障碍者乗馬(馬術競技)
7、馬術競技
8、軽乗(スポーツ少年団)?
9、草競馬、野外騎乗。エンジョイライディング

乗馬クラブや乗馬関係者の中には、、このリハビリテーション効果について理解していないかもしれないので、リハビリ目的は馬の選択、体験試行騎乗と回数、アシスタントの必要性等について充分相談してください。医師、療法士などの処方(乗馬療法)があれば理想的ですが、専門家と一緒に取り組んでいただくことを望みます。私は、アドバイスしかできません。