採卵鶏の養鶏業者の殆どは、卵を安価で生産するためと理由付けして、鶏のメスを超虐待的な飼い方をしている。WOAH(旧OIE)(世界獣疫機構)が、5つの自由に基づく家畜の飼養管理をすべきであると改善を提唱したにもかかわらず、農水省も業者も無視し続けている。東京オリンピックが決まった当時、OIEの指針に基づいて動物福祉(アニマルウエルフェア)について議論されていた。当時の農水大臣が、採卵鶏の業界団体から賄賂を受け取り犯罪者となったことをご存じだろうか? 以下に実態を記す
受精卵:受精卵は、温度管理された孵卵器に入れられ、21日程度で孵化しヒナが誕生する。
ヒヨコ:オスのヒナは、生まれたその日に、その大半は生きたままシュレッダーか袋に入れられ炭酸ガスで殺処分される(欧米では禁止している国がある)。メスのヒナは、卵を産めるまで(約5カ月)群れで平飼いされる。過密な群飼いでは、互いにつつき合って傷つけあうのでクチバシの先端を切り取るビークトリミングが行われる。
成鶏(採卵鶏):鶏舎は、密閉型で、自然光も外気に触れることなく、温度、湿度、採光、換気、給仕、給水などが自動制御されている。この鶏舎内に、バタリーケージと言われる奥行35~45㎝、高さ40~45㎝、間口25~30㎝、床は金網で10~12度の傾斜されたケージに2~3羽入れられ、一羽用はもっと狭小でA4サイズかB5サイズに閉じ込められて産卵(無精卵)する。ぜひ、このケージのサイズを想像してください)。人工照明で、産卵をコントロールされる。
廃鶏:産卵率が低下すると、絶食や絶水して強制的な換羽(羽が抜け替わる)させられ、2~3年で廃鶏となる。強制換羽しない場合は、1年半程度で廃鶏となる。廃鶏は、スタニング(意識喪失)なく極めて残酷な放血で殺処分されるのが殆どである。ということで、採卵鶏の一生は、本来の生理、生態、行動を取れないまま命を終えされ、誠に悲惨なものである。
バタリーケージは、横並びに配列され、3~9段積み重ねられていて、徹底した効率優先の工場的養鶏である。ここには、動物福祉(アニマルウエルフェアの欠片すら全く存在しない。飼育されている鳥類の中で、最も悲惨で可哀そうな状況で飼われているのは、バタリーケージに閉じ込められている採卵鶏であると言える。
欧米ではバタリーケージの使用禁止されており、国内でもバタリケージの廃止が求められており、代替として改良型ケージが提案されているが、殆ど活用されていない。平飼いが推奨されているが、超過密な群飼いの問題が散見されている。
鶏の本来の生態と行動は、地面を歩きまわり、落穂や穀物と草などを啄ばみ、土をほじくり返し、虫などを捕食し、泥浴びや砂浴びをし、羽ばたきや羽繕いをし、時には飛ぶことがあり、止まり木でたたずむ、巣作りをして卵を産む、巣箱で抱卵して卵をかえしてヒナを誕生させて育児に励むなどが本来の姿である。
不健康でストレス下に置かれ問題を抱えていても、安価な卵を良とするか、本来の生理、生態、行動に即して健康で安心・安全な卵を求めるかを考えてください。ONE WELFARE & ONE HEALTHのために
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