独語13 殺処分ゼロの影

動物愛護管理法第35条に、自治体は、犬猫の飼い主から引き取りを求められたら、引き取らなければならない。ただし、犬猫の販売業者から引き取りを求められた場合は、相当の事由がなければ、引き取りを拒否できる。このことは、拾得者にも準用される。また、自治体は、引き取りを求められた犬猫を動物愛護団体に譲渡を委託できる。とされている。

殺処分されるペットの数を減らそうと「殺処分ゼロ」が急速に広がり、それ故、殺処分が非常に減ったことは誠に喜ばしいことです。
その一方で、気になることは、犬猫の引き取りを求められた自治体が、殺処分を避けるために、そのまま動物の収容施設を持つ動物愛護・保護団体に譲渡を依頼して、殺処分ゼロを達成したと報告している実態がある。依頼先の動物愛護・保護団体が、収容した犬猫に対して適切な飼養管理を行っているか否かのチェックしないで、その実態が不明であるにもかかわらず・・・・ 中には、劣悪な飼養管理をしている団体・個人がいるようだ。
本来、自治体は、動物愛護・保護団体(第二種動物取扱業のみでなく)を調査し、問題があれば是正を求めるべきだが、前述の譲渡を委託したので、チェックしない(できない)のではと思われる。問題があっても、無視し黙認してしまうことがあるようで、まずピース・ウインズ・ジャパン(殺処分ゼロ達成のための募金活動の広告している)が運営する広島県のピースワンコのすべての実態調査(開示している場所以外も)してもらいたいものです。ここは、劣悪な環境と不適切な飼養管理の下で、収容されている多数の犬の中で、群れに襲われて咬み殺された犬がいたとの報道があった。
ピースワンコのミニと言えるものが、各地に散見されているとのことなので、2021(令和3)年6月の飼養管理基準(現在、環境省で検討中)の施行が待ち遠しい。万民が認める動物愛護・保護団体の基準が必要だ。